SES

【VPC外リージョンサービス】

SES（Simple Email Service） は、スケーラブルでコスト効率の高い Eメール送信サービス / メール配信プラットフォーム です。

自社ドメインを用いて、大量のトランザクションメールやマーケティングメールを安全かつ高信頼で送信できます。送信（SendEmail / SendRawEmail） や 受信（Inbound Email） に対応しており、SMTPインターフェース または API呼び出し により簡単にアプリケーションへ統合できます。

メールの信頼性確保のため、送信ドメイン認証（SPF / DKIM / DMARC） や TLS暗号化、IAMロール / ポリシー制御 に対応しています。

配信管理では、バウンス / コンプレイント / フィードバック通知 / サプレッションリスト / Permanent Bounce（永続的バウンス） などを活用し、配信エラーを自動的に抑制します。

送信クォータ / スループット制限 / デリバリーレート / サンドボックスモード / 本番モード によって、送信量を柔軟にコントロールできます。

送信ドメイン認証 / IPレピュテーション / デディケーテッドIP / モニタリング 機能により、高い到達率と安定したメール配信品質を維持します。

CloudWatch との連携で配信状況を可視化でき、SNS を利用すれば開封・バウンス・苦情通知をリアルタイムに受け取ることも可能です。

VPCエンドポイント 経由の通信にも対応しており、内部システムとセキュアに連携できる点も特長です。

重要用語

ユースケース

アプリケーションからのメール送信	会員登録の確認メールやパスワードリセットメールなどを、アプリケーションからSES経由で安定して送信する。
ニュースレター・一斉配信メール	顧客やユーザーに対して定期的なニュースレターやキャンペーン情報を大量送信する際のメール送信基盤として利用する。
受信メールの自動処理	特定アドレス宛てのメールをSESで受信し、Lambdaなどに連携して問い合わせ内容の自動振り分けやチケット起票を行う。

ベストプラクティス

送信ドメイン認証の設定	SPF・DKIM・DMARCを設定し、メールの到達率と信頼性を高める。
サプレッションリストの監視	バウンスや苦情の多いアドレスを自動的に除外して評判を維持する。
コンテンツと頻度の最適化	スパム判定を避けるためにコンテンツ品質と送信頻度を調整する。

高可用性・バックアップ・リトライ

高可用性・バックアップ・リトライ設計のポイント
【デフォルト】AWS内部で冗長化 　・メール送信インフラ 　・メール受信エンドポイント 　・APIエンドポイント 　・内部キューイングシステム 　・メールストレージ（受信メールの一時保管）
【自動リトライ】デフォルト 　過負荷・DNS遅延・ネットワーク断により配信先が一時的に応答しない場合、自動的リトライ

セキュリティ

関連サービス	設定内容
CloudTrail（操作履歴の記録・監査・追跡）	【自動記録】 作成・更新・削除・設定変更は自動記録される。（コントロールプレーンAPI） データ操作は追跡できない（データプレーンAPI）
Config（リソースの構成状態・設定変更を記録）	-
GuardDuty（脅威を自動検出）	【GuardDutyが有効な場合】 不正な送信設定・認証情報操作のAPI異常検知

ログ・監視

ログ出力先	ログの種類
CloudWatch Logs	送信イベントログ

標準メトリクス

メトリクス名	説明

制限値（固定値／ハードリミット／ソフトリミット）

ハードリミット	制限値
メッセージサイズ	最大10 MB（添付含む）
送信先数/メッセージ	50

ソフトリミット	制限値
送信数（サンドボックス環境）	200通/日
送信レート（サンドボックス環境）	1通/秒
送信数（本番環境）	リクエスト次第（50,000通/日～）
送信レート（初期本番環境）	14通/秒
設定セット数/リージョン	10,000

AWS CLIのサンプルコード

CloudFormationのサンプルコード

Terraformのサンプルコード

料金計算

課金項目	説明
送信メール	送信されるメール数
受信メール	受信されるメール数
専用IPアドレス	専用IPアドレスの月額料金
データ転送	送信データ転送容量
添付ファイル	S3に保存される添付ファイルのストレージ容量

公式ページ

AWSドキュメント SES