X-Ray

【VPC外リージョンサービス】

X-Ray は、分散アプリケーションの動作を可視化し、問題の特定やパフォーマンス分析を行うための 分散トレーシングサービス です。

マイクロサービス間のリクエストフローを追跡し、Trace(トレース)・Segment(セグメント)・Subsegment(サブセグメント) として記録することで、レイテンシー や エラー率 を詳細に分析できます。

Service Map(サービスマップ)・トレースビュータイムラインビュー により、サービス依存関係や遅延箇所を直感的に把握できます。

X-Ray SDK や デーモンを利用してデータを収集し、サンプリングルール・メタデータ・アノテーション を活用して効率的にトレースを管理します。

ECS / EKS / Lambda / EC2 など幅広い環境で動作し、CloudWatch統合 によりメトリクスを可視化し、アラーム 設定による異常検知も可能です。

アプリケーションを大きく変更せずにトレースマップを生成できるため、Observability(可観測性)と運用効率の向上に役立ちます。

重要用語

Segment
Subsegment
Service Map
トレースビュー
タイムラインビュー
関連サービス

ユースケース

分散トレーシングによるボトルネック解析マイクロサービスやサーバーレスアプリに対するリクエストの経路を可視化し、どのサービスやAPIが遅延の原因になっているかを特定する。
LambdaやAPI Gatewayの詳細なパフォーマンス分析Lambda関数の実行時間や外部サービス呼び出し時間をトレースし、性能改善やタイムアウト設定の見直しに役立てる。
エラー発生箇所の特定とデバッグ支援例外が発生したトレースを確認し、どのサービス・どの処理ステップでエラーになったかを素早く突き止める。

ベストプラクティス

トレースの埋め込みアプリにSDKを組み込み、リクエスト経路を可視化する。
サンプリングルールの調整トラフィック量に応じてサンプリング率を調整する。
ボトルネック分析トレース結果から遅延の大きいサービスやクエリを特定する。

セキュリティ

関連サービス設定内容
CloudTrail(操作履歴の記録・監査・追跡)【自動記録】
作成・更新・削除・設定変更は自動記録される。(コントロールプレーンAPI)
データ操作は追跡できない(データプレーンAPI)
Config(リソースの構成状態・設定変更を記録)-
GuardDuty(脅威を自動検出)【GuardDutyが有効な場合】
トレーシング設定の不正変更などのAPI異常検知

ログ・監視

ログ出力先ログの種類
CloudWatch Logsトレースデータ
CloudWatch Logs優先の原則
標準メトリクス
メトリクス名説明
TracesIndexedインデックス化トレース数
TracesProcessed処理トレース数

制限値(固定値/ハードリミット/ソフトリミット)

ハードリミット制限値
トレースあたりのセグメント数300
トレースの保持期間30日
セグメントに付与できるアノテーションキー数50
セグメントに付与できるメタデータサイズ64 KB

ソフトリミット制限値
サンプリングルール数100
トレースグループ数/リージョン25

AAWS CLIのサンプルコード

CloudFormationのサンプルコード

Terraformのサンプルコード

料金計算

課金項目説明
トレース記録記録されるトレース数
トレース取得取得・スキャンされるトレース数
InsightsX-Ray Insightsの使用
料金計算ツール

公式ページ

AWSドキュメント X-Ray